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見えてきたアルツハイマーの終焉

第1回 恐れられたアルツハイマーの正体第2回 脳が記憶をやめるのはなぜ?第3回 アルツハイマー改善への挑戦(近日公開予定)

この記事はAlmama編集部平山久仁子が執筆しました。

アルツハイマー病発見から約120年、ついにアルツハイマーのほんとうの姿が見えてきました。
デール・ブレデセン博士は、36個の原因と回復に向けた治療法「リコード法」を公開。
世界最先端の治療法に取り組みは、我々にアルツハイマーの終焉をもたらしてくれるのか。
その道筋を3回にわたって紹介します。

第1回 恐れられたアルツハイマーの正体

アルツハイマー病が現れた

118年前、ドイツの女性アウグステ・データーさんは嫉妬妄想と記憶力の低下を抱えアロイス・アルツハイマー医師の診断を受けた。同医師によって南西ドイツ精神学会に診断が報告され、アルツハイマー病が世界に姿を現した。 アルツハイマー病は、自覚症状のないまま40歳代から静かに進行する。そして通常60歳ごろから症状が現れ、この段階で早期発見と言われることが多い。しかし、すでに脳内にアミロイドβの塊が蓄積されている。 では、「なぜアミロイドβは蓄積するのか?」 治療を困難にする「アミロイドβを除去しても、症状が改善されないのはなぜか?」。 世界中でアルツハイマー病の治療薬の開発が成果に至らないのは、アミロイドβを99.6%除去しても症状が回復しないことだ。これが「不治の病」と恐れられた理由だ。
だが、その問題は解決の道筋を得た。「アミロイドβの集積」だけを原因とした捉え方に、誤りがあった。 世界的な神経変性疾患の権威デール・ブレデセン博士は「アルツハイマー病の真実と終焉」の中で、アルツハイマー病の原因を「36の穴の開いた屋根」に例えた。予防、改善は可能だが、「36個の屋根の穴」の1つ、2つを塞いでも回復は望めない。しかもその「36個の穴」は人それぞれに違う。しかし、一人一人に合わせた必要な検査を経て、その穴の発見し塞ぐことはできる。これまで原因の特定された病気でも、その症状の強弱、身体への総合的な影響人それぞれに違った。 今回我々は新型コロナ感染で、あらためてその真実をより強く知ったのではないだろうか。
ブレデセン博士の革新的な科学的プログラム「リコード法」は、一人一人の穴を見つけ、塞ぎ、9割の人々に回復をもたらした。検査し、オーダーメイド化した対応で、アルツハイマー病の予防・改善効果は生まれている。「一粒の薬で治す」療法ではなく、積極的な患者本人のライフスタイルの変容が改善を左右する。21世紀の新しい治療、再生医療も一人ひとりへの対応から始まっている。日本で「リコード法」の治療に積極的な白澤抗加齢医学研究所所長(お茶の水健康長寿クリニック=東京都千代田区=院長)の白澤卓二医師は、「ほぼ全員に改善がみられている」と語っている。さあ、扉を開けましょう。

アルツハイマー病の主たる治療者は、あなた。

これまで医療治療は、医師の施術や最適な薬の選定に頼ってきたイメージがありますが、アルツハイマー病の予防・改善には、自ら力を尽くすことが効果を左右する大きなファクターになります。
高齢が発病に影響するのは、平たく言えば好き勝手に使った身体の使い方、食の在り方、運動・睡眠、遺伝子の影響など、人生全体が影響するということでもあるようです。入り組んだ迷路を原因を解き明かし、自ら改善の先端に立ち道を拓く。これまでの歩みと同じように、きっとそれは誰にでもできる。決めるのは自分自身だから。
プレデセン医師のグループが解明した「アミロイドβがなぜ脳に溜まるのか」、それは「脳の正常な防御反応」でした。脳を守るためにアミロイドβは集積した。人体は傷やウイルスなど体の脅威に対し、免疫システムを発動し炎症からの回復に全力を尽くします。時に痛みを発し、熱を放出しながら健康を守ります。人は身体の防御力を強めるために栄養を取り、毒物を体内に入れないように進化してきました。
特に骨で囲んだ大切な脳が、長引く炎症にさらされるとアミロイドβが集め反撃に努めます。その結果、過剰な集積が怒り、脳神経を破壊してしまう。高齢化で各臓器にも炎症、つまり火事現場が増えます。消火役の免疫細胞の活動は増えミスリードが、思わぬ結果をもたらした。

アルツハイマー病の3つの脅威と病気のタイプ

プレデセン医師の研究から、アルツハイマーの3つの脅威と3つのタイプが解明されました。

3つの脅威
1. 長引く脳内の炎症
2. 脳の栄養不足
3. 蓄積してきた体内の毒素の影響

これらの3つ脅威から、炎症性の1型アルツハイマー、萎縮性の2型アルツハイマー、毒性の3型アルツハイマー、1型(炎症性)と2型(萎縮性)がオーバーラップした1.5型アルツハイマータイプが判明しました。アルツハイマーからの回復は、3種類の脅威を取り除き、アミロイドβを除去し、破壊されてシナプスを再構築するを目指します。

出典:「アルツハイマー病の真実と終焉」
   デール・ブレデセン著
   白澤卓二監修
   
(次回は、具体的な対応法についてご紹介します。)