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認知症の主なタイプと特長

この記事はAlmama編集部平山久仁子が執筆しました。

 脳の病気や障害などが原因で認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態の総称が認知症す。100種類以上あ
 ると言われています。認知症状をもたらす病名を正確に知ることは大切です。
 日本の65歳以上の認知症者は2025年には約650〜700万人、高齢者の約5人に1人と予測され、65歳未満で発
 症する若年性認知症者も3.57万人と推計されています。(出典「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に
 関する研究」2015年3月二宮利治)
 認知症状をもたらすの部p機は、大きく2つに分けられます。
 脳細胞に異常が起こる「変性性認知症」脳梗塞や血管の異常による「脳血管性認知症」
 老化に伴い複数の持病を持つ高齢者も多くいます。一見、認知症に似た症状でも、治療可能な疾患もあります。
 MICやCTなどでしっかり検査を受けることで、その後の生活のクオリティーが変わります。しっかり自分の体と
 向き合い、豊かな人生を築く礎をつくりましょう。もうすぐ、自分のカルテは自分で管理する社会が来します。
 悔いのない意思決定、備えで人生を満喫したいものです。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症では、脳の神経が変性、脳萎縮が見られます。脳内に蓄積する異常なタンパク質(アミロイドβ)などが原因で、神経細胞が欠落し脳機能が低下していきます。脳の萎縮は海馬、前頭葉、側頭葉、頭頂葉などに広がり、病状は20年ほどかけてゆっくり進行します。したがって40代後半から、自分の身体変化に気づけることが最大の予防と言えるかもしれません。最新の研究では、アルツハイマーは第3型糖尿病とも呼ばれ、生活習慣病だと考えられています。したがって、食生活の見直しや生活習慣は、予防の効果を決め大きな要素です。アルツハイマー病の発症で、新しく記憶をする能力が損なわれてきても、すべての記憶を失うわけではありません。お話のつじつまが合わなくても、お話そのものができなくなる重症化までには時間があります。適切ケアや記憶を想起する自己ツールの準備で、暮らし楽しみながら過ごすことができます。

血管性認知症

脳梗塞や脳出血など、脳血管障害によるもたらされる認知症です。障害を受けた脳の領域によって現れる症状も違います。認知機能の一部が保たれる「まだら認知症」の症状も特徴です。症状はゆっくり進む場合も、急速に進む場合もあります。血管の障害を繰り返さない生活の管理、適切な治療など、ケアプランをしっかり立てて残存機能を生かした暮らし方に、前向きに取り組むこと。希望は、確実に暮らしの質を高く保つパワーになります。

レビー小体型認知症

中脳以外の脳内のいたるところに、レビー小体が蓄積して発症します。レビー小体はパーキンソン病の原因物質で、脳内のドーパミンをつくる神経細胞が破壊されて特徴的な症状が現れます。脳内のドーパミン量が減少し、具体性のある幻視―「知らない人が家の入ってきた」「亡くなった人がいる」を見ます。不安や感情が高まりやすい夜中に症状が現れやすい傾向があります。脳の検査では後頭葉に血流の減少が確認でき、幻視はこの後頭葉の変化と関係していると考えられています。幻視であっても、患者本人には見えているので、「見えている」こと否定せず、患者の安心を優先することが大切です。

前頭側面頭型認知症(ピック病)

ピック病の大きな特徴は、前頭葉と側頭葉の萎縮が目立つことです。性格が急変し、穏やかだった人が怒りっぽく攻撃的になるなど周囲を驚かせることも多いく、意味のない言葉や同じ動作を繰り返す、異食や過食、徘徊も現れます。また、スムーズに言葉がスムーズに出てこない、言い間違いが増える。苛立ちや感情の抑制がききにくくなるため、社会のルールを守れないこと増えます。どれも病による症状で、患者本人の意志ではないので、冷静に受け止めることが大切です。

クロイツフェルト・ヤコブ病

悪性のタンパク質・プリオンの感染で、脳組織にスポンジのような穴あく神経変性疾患です。発症すると数カ月で認知所症状が急速に進み、「筋硬直」から立つことや歩行が不可能になります。全身の衰弱、呼吸麻痺、肺炎などで1~2年で死に至ることも多い疾患です。

進行性核上麻痺

脳の皮質(表層)の下にある基底核・脳幹・小脳の神経細胞が減少する神経変性疾患です。下が見えにくくなり、よく転びます。言葉が出にくく、食べ物の飲み込みも悪くなります。発症時には動作が鈍く歩行障害も見られるため、パーキンソン病との区別がつきにくいことがありますので、注意深い観察が必要です。

歯状赤核淡蒼球ルイ体萎縮症

小脳にある歯状核とルイ体が萎縮する遺伝性神経変性疾患です。「けいれん(てんかん)」や体がうまく体が動かなくなる「運動失調」が特徴です。

  • ハンチントン病
  • 大脳の中心の線条体・尾状核の神経細胞が、減少する常染色体優性遺伝の神経変性疾患です。自分の意志に反した動き(不随意運動)や「情動障害」が現れます。

  • 多発性脳梗塞
  • 65歳を過ぎると、誰でも多少の小さな脳梗塞(ラクナ梗塞巣)がおこりやすくなります。それが多発して、認知機能が低下します。脳血管性認知症で、一番多い原因疾病です。リスクを軽減には、高血圧、高脂肪血症、糖尿病などの生活習慣病の改善・管理が必要です。

  • ビンスワンガー病(広汎白質梗塞)
  • 脳血管性認知症で、脳の白質(大脳半球の深いところ)に多数、または両側に広汎梗塞が見られます。左右どちらかの手足が動かず、歩行困難になり、失禁や精神障害が起こりますが、進行は緩やかです。

  • 治療可能な認知症 
  • 正常圧水頭症

     脳脊髄液を貯める脳室に脳脊髄液
     が溜まり、脳を圧迫して発症しま
     す。歩行障害、失禁などを起こし
     ますが、溜まった脳脊髄液を抜く
     手術で、治療・改善する可能性が
     あります。

    慢性硬膜下血腫

     かるい頭部の外傷などが原因で、
     数か月後に頭蓋内の硬膜と脳の間
     に血液が溜まり発症します。
     溜まった血液を手術で除去すると
     劇的に症状が改善します。

    その他

     甲状腺機能低下症などの内分泌疾
     患、ビタミンB1欠乏症、ビタミン
     B12欠乏症、葉酸欠乏症、自己免
     疫性疾患などでも、認知機能の低
     下により症状が現れることがあり
     ます。

    出典:「認知症はもう怖くない」  西崎知之 
       「こころの情報サイト」
       国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター