TOP
事業概要記事・監修当事者研究ライブラリーお問合せ

トップインタビュー

福祉用具でQOL向上
「正しい使い方」など
    セミナーで啓発

川村義肢株式会社
 代表取締役・川村 慶 氏

2019年6月

世界に知られる義肢・装具メーカー
として、常に先端を走る

ー 初めに、事業内容をお聞かせください。

川村 義肢や装具、訓練機器、車椅子、人工ボディなど福祉用具の開発、製造、販売、レンタルのほか、住宅改善、いきいきネット相談支援センター、居宅支援事業なども行なっています。福祉用具は、障害や疾患が同じでも、利用者のライフスタイルにより必要な機能が違います。適格な用具の提供には、必要な機能を見つけ出す目利き、不断の技術開発が必要です。
2005年に挑んだアカウミガメの両前ヒレの人工義肢制作「悠ちゃんプロジェクト」もその一つです。新しい技術開発は会社の財産となり、企業としての姿勢を次世代に残すことにつながります。

ー 車椅子など福祉用具の選び方、使い方で注意すべき点はなんでしょう?

川村 介護保険で車椅子のレンタルが可能になり、S・M・Lサイズで車椅子を選ぶ風潮が一般化しました。その時点で、身体に合っていません。これは、介護保険制度の影響が大きい。体に合わない用具は、二次障害を招きます。介護保険の適用だから、二次障害出ても仕方ない、そんな発想は受け入れられません。
取り組む施設が少なくとも、コスト高でも体に合わせるという最重要課題は譲れません。S・M・Lのレンタルでも体に合わせて調整するのが、車椅子利用の最低条件です。社内には「採型室」「装着室」「試歩行室」があり、満足いただけるフィティングを共に探す環境を用意しています。
利用者の姿勢保持など体にフィットさせるのが我々の仕事です。用具のサポートで尊厳を復権させるサービスは、利用者自身がコストを払う価値を見つけてくれます。

車椅子の安全整備資格制度を立ち上げ
900点のショールーム展示を公開

ー 利用者が、車椅子の使い方を知ることが大切ですね。何か教育・啓蒙活動をされていますか。

川村 専門家向けに公益財団テクノエイド協会とともに「高齢者の車椅子フィッティングセミナー」を開催しています。マニュアルはテクノエイド協会のサイトからダウロードできます。
また、義肢製作工場と900点以上の自立支援用品を展示するショールームの会社見学ツアー、講義をプラスした「ナレッジシャトル」も実施しています。玄関スペースを開放し「車椅子の乗り方、使い方」など体験講座をワンコインで開催しています。
フレイルから健常者に、より活動的な身体に引き上げるのは可能だと考えています。そのために自ら学び、行動する必要があります。体験できる機会を創出し、参加できるコミュニティをつくることが不可欠です。
また、車椅子安全整備士の資格もつくりました。養成に努め、施設などでの活躍を期待しています。

ー 義肢装具業界のリーディングカンパニーとして、今後の展望をお聞かせください。

川村 日本人は、福祉用具の使用に躊躇があります。障害があるお子様も車椅子の利用で自由度が上がるのに、親は使わせたがらない。非常に残念です。
できることも手伝う介護ではなく、用具を活用して自由や尊厳を引き上げる生活文化が定着してほしいと考えています。これからも、介護保険制度の枠にとらわれないビジネスを展開していきます。
「寝たきりより車椅子、車椅子よりピンピンコロリの生活づくり」を目指し、高齢者を若者が支えていくという発想の転換も模索します。
地元大東市を全国から高齢者や障害者が移り住む、楽しく仕事する街にするのも、目指す夢の一つです。

ー ありがとうございました。

2019年6月12日 後継者住宅新聞掲載